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はじめに

日英機械翻訳には, 用例翻訳や統計翻訳等の手法があるが, 翻訳の際に言語表現 を分割することで全体の意味が失われてしまうことが問題であった.

そこでパターンに基づく日英機械翻訳方式の実現に向けて, 単語レベル, 句レベル, 節 レベルの3レベルで構成された大規模な日英対訳パターン辞書が構築された(各レ ベルの規模は単語レベル123,451, 句レベル95,496, 節レベル123,451パターンで ある)[1]. すでに, 入力文と文型パターンを照合し, 入力文に適合す る文型パターンを抽出する文型パターンパーサが試作されている [2]. しかし大規模なパターン辞書を用いると, 入力文に適合するパター ン数が多いため, 翻訳に適したパターンを選択する必要がある [3]. 最適なパターンを選択する方法として, 単語レベルのパターン を対象とした場合,多変量解析を用いた方法が有効である[5]. しかし 句レベルのパターンを対象とした場合, 入力文に対するカバー率が高く, 適合するパターン数が単語レベルに比べて非常に多いため, 同様の方法は効果が不明である.

そこで, 本研究では句レベルの場合について多変量解析による選択方式を適用し, 有効性を調査する. まず入力文と適合パターンの情報を多変量解析により分析して評 価関数を求める. 求めた評価関数を用いて適合パターン選択実験を行うことで最 適なパターン選択を行う. 本研究では以下, 第2章では多変量解析を用いた選択 方式について, 第3章では評価関数作成について, 第4章では適合パターン選択実 験について, 第5章では考察, 第6章ではまとめを述べる.



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平成18年3月20日