要素合成法を基本とする従来の自然言語処理の限界を克服することを狙いとした 1つの原理に,「等価的類推思考の原理」がある. この原理に基づく翻訳方式では,翻訳対象となる両言語で 言語表現を「文型パターン」によって記述しておき,意味的に等価な文型パター ンを対応付けることで,意味の失われない解析・生成を実現しようとしている.
近年まで,大規模な文型パターン辞書の開発は困難と考えられ,対象分野を 限定した用例翻訳などが試みられてきた.しかし,標本文には多くの線形 要素が存在すること,文型パターン化作業の大半が機械化できることが分かり, 大量のパタ−ンを作ることが可能となった.