next up previous contents
次へ: 謝辞 上へ: soturon 戻る: 文型任意要素   目次

おわりに

本研究では,まず,文型パターンの被覆率向上の効果を推定するパラメータとして, 文型パターン拡大率$\eta $を提案した.任意要素を用いた効果を,文型再現率 $R1$,および,平均適合パターン数$N$から推定した$\eta $を用いて評価した. 具体的には,現在使用されている文型パターン辞書のパターン数と,$R1$,および, $N$の関係式を実験的に求め,得られた関係式を用いて,$\eta $を算出した. 調査結果より,原文任意要素を文型パターン の記述に用いると,$R1$から$\eta $を推定すると,文型パターン辞書の規模を20 倍に拡大したことに相当し,また,$N$から$\eta $を推定すると,約7倍に拡大し たことに相当することが分かった.同様に,文型任 意要素を文型パターンの記述に用いると,$R1$から$\eta $を推定すると,文型パ ターン辞書の規模を約2.6倍に拡大したことに相当し,$N$から$\eta $を推定する と,約1.4倍に拡大したことに相当することが分かった. よって,任意要素の指定は,被覆率の向上に大きな効果をもたらしていると言え る.
    しかし,原文任意要素を使用したパターンの意味的排他性が低いので, 任意要素の記述方法や挿入箇所などを見直す必要がある.



平成17年3月23日