次へ: 文型任意要素
上へ: 意味的排他性の評価
戻る: 意味的排他性の評価
目次
原文任意要素の挿入要素により,意味的に不適切なパターンと適合する割合に
あまり違いはなかった.
しかし,離散記号と適合した入力文の要素が,英語翻訳の際の重要な語になって
いる場合,もしくは,入力文のほとんどの要素が原文任意要素となる場合,
得られたパターンは単純なものであったり,意味的に正しくないパターンである
場合が多かった.(適合パターンのうち,約4割が意味的に正しくないパターン
だと思われる.) 以下に例を示す.
例1
- 日本語文:皆いっせいに手を上げたので、先生は誰を当てたらよいか迷った。
- 英文:They raised their hands all at once, so the teacher did not
know whom he should call on.
- 適合した日本語パターン
/y$1^
{#1[]}/kは/cf.kako^
katei$1/f.kako。
- /y = 皆いっせいに手を上げたので、
- = 先生は
- /cf = 誰を
- = 当てる
- /f = 良いか
- = 迷う
- 適合した日本語パターンに対応する英語パターン:#1[] .past in V4
例1の例文の,英語翻訳の際の重要な語となる,「ので」という部分と
「よいか」という部分が原文任意要素と対応している.
そのため,得られた日本語パターンに対応す
る英語パターンは,意味的に正しくないパターンになっている.
例2
- 日本語文:話に気を取られて我れ知らず乗り出して聞いていた。
- 英文:The story interested me so much that I was unconsciously leaning
forward to listen.
- 適合した日本語パターン
/y<
/tkは>
#2[!熱狂的な(ほど|
程)]/cf
(|
をしていた)。
- /y = 話に気を取られて我れ知らず乗り出して
- V3 = 聞く
- 適合した日本語パターンに対応する英語パターン: be.past #2[frantically](
|
()).
例2では,日本語文の「話しに気を取られて我知らず乗り出して」の部分
が原文任意要素と対応している.日本語文の要素のほとんどが,原文任意要素となっ
ているので,得られた日本語パターンに対応する英語パターンは,単純である.
日本語文の要素のうち,原文任意要素と対応する要素が多い程,得られたパター
ンは意味的に正しくないパターンである可能性が高いと思われる.
このような問題を解決するためには,離散記号の付与基準や,文型パター
ンの照合条件を見直す必要がある.
平成17年3月23日