369箇所の用言は,修正を加えなかった. その原因は主に3つに分類される.内訳と詳細を以下に示す.
・用言意味属性〔5属性〕
修正の加えなかった用言のうち,307箇所は情緒属性付与の難しい用言意味属性 〔5属性〕の用言であった. 〔5属性〕の用言の結合価パターンは例えば,「(3主体)は 金遣いが 荒い」 ,「(3主体)は 機転が 利く」,「(3主体)に 決断力が 無い」などである. これらの結合価パターンは,情緒主に何らかの情緒が生起する原因となるかも しれないが,この表現に対するの持つ認識によるところが大きいと判断され るため,本研究の範囲 では情緒主についての情緒の定義を保留とした.
・感情の直接表現
直接表現と判断したパターンは25箇所あり,パターン例は, 「(4人)が(*)に狂喜する」「(4人)が(*)に 照れる」などである.これらのパターンは感情を直接的に表現したものであるた め,元々本研究では対象外とする用言であった.
・その他の原因の用言
その他の特殊な用言としたパターンは37箇所あり,「(4人)が死去する」「(4人 535動物)が/の命 を落とす」など,情緒主の意識が失われている状態を表す用言である.このよ うなパターンは本研究では対象外とした.
以上のように,保留あるいは対象外とした箇所とした範囲が数点 あるが,基本的な部分は完成したと考える.