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検査結果

結合価パターン辞書の中から2,863個の修正必要個所が指摘され,そのうち2,494箇所に修正 を加えた.

369箇所の用言は,修正を加えなかった. その原因は主に3つに分類される.内訳と詳細を以下に示す.

・用言意味属性〔5属性〕

修正の加えなかった用言のうち,307箇所は情緒属性付与の難しい用言意味属性 〔5属性〕の用言であった. 〔5属性〕の用言の結合価パターンは例えば,「$N1$(3主体)は 金遣いが 荒い」 ,「$N1$(3主体)は 機転が 利く」,「$N1$(3主体)に 決断力が 無い」などである. これらの結合価パターンは,情緒主$N1$に何らかの情緒が生起する原因となるかも しれないが,この表現に対する$N1$の持つ認識によるところが大きいと判断され るため,本研究の範囲 では情緒主$N1$についての情緒の定義を保留とした.

・感情の直接表現

直接表現と判断したパターンは25箇所あり,パターン例は, 「$N1$(4人)が$N2$(*)に狂喜する」「$N1$(4人)が$N2$(*)に 照れる」などである.これらのパターンは感情を直接的に表現したものであるた め,元々本研究では対象外とする用言であった.

・その他の原因の用言

その他の特殊な用言としたパターンは37箇所あり,「$N1$(4人)が死去する」「$N1$(4人 535動物)が/の命 を落とす」など,情緒主の意識が失われている状態を表す用言である.このよ うなパターンは本研究では対象外とした.

以上のように,保留あるいは対象外とした箇所とした範囲が数点 あるが,基本的な部分は完成したと考える.



平成18年3月24日