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目次
注釈の体系が複雑なコーパスを高い精度で作成するには熟練を要するため,付与
作業のできる者が限られていることが問題である.
そこで,本研究ではコーパス作成者の熟練度向上のため,熟練者でない者が作成
したコーパスの誤り傾向の分析と,精度の高いコーパスを効率的に作成するため
のコーパスの作成手順の提案を行った.そして,以下の結果を得た.
- 熟練者でない者が作成したコーパスの誤り傾向として,注釈の関連付けの
知識が不足していることが分かった.
- 提案した手順でのコーパス作成により,試作したコーパスにおける作業者
の誤りを138件から12件まで削減でき,コーパスの精度を向上させること
が出来た.その度合は,校正後,コーパスと自動推論の比較における要因
タグおよび情緒タグの再現率,適合率の向上から伺える.
- 作業者自身も校正作業を通じて,コーパス作成のスキルが向上したと思わ
れる.
1,2より,
本研究で提案した以下のコーパス作成手順が有効であることが示せた.
今後の課題としてルール・世界知識の追加による自動推論の精度の向上が挙げら
れる.
平成16年4月17日