次へ: コーパスの校正結果
上へ: コーパスの校正
戻る: 誤り箇所の判別
目次
作業者による誤りの内容は以下の通りである.上位3つが作業者の誤りの9割以
上を占めていた.図に注釈が不足している場合の校正の様
子を示す.枠で囲んだ部分の(1)(2)が追加,(3)(4)が変更したところである.
- 推定に必要な注釈が不足していた
- 「理由」として付けた注釈が不適切であった
- 間違った心的状態の関連付けで推定していた
- 推定方法が間違っていた(注釈の関係ではない情報などから推定)
- 「発話行為」の「内容」が不適切であった
- 一つの「発話行為」から複数の「心的状態」が考えられた
- 推定した「情緒の内容」が不適切であった
- 推定した「心的状態の内容・属性」が不適切であった
- 不要な注釈を付与していた
図:
注釈の不足するコーパスを校正する様子
|
図のコーパスでは,情緒推定システムの推定結果と比較したと
ころ,ターン6のまる子の台詞から連鎖する「プラン」の推定に相違があった.
そこで相違の原因を分析したところ,このコーパスには「プラン」の推定に必要
な注釈が不足していたことがわかった.
例えば,先に推定されている「プラン」があり,その後,その「プラン」に対す
る「評価」が行われたとき,「評価」の「内容・属性」によって「プラン」の
「属性」が変化することがある.図では,このプランの属性を
変化させる「評価」が不足していた.そこで以下の手順で「評価」を付与し,校
正を行った
- 初期状態の「プラン」とターン6の「認識」から推定される「評価」を付
与
捕捉:まる子はカードを買おうとしていたが,それを売っていたおじさんは既に
いなくなっていたため,カードを手に入れる可能性は低いという連鎖
- 関連する要因タグ同士である(1)で付与した「評価」と初期状態の「プラン」
を繋ぐ「関係」を付与
- 推定に相違のあった「プラン」の属性が「不採用」のほうが適当であると
思われるので,「終了」を「不採用」に変更
- (1)の「評価」の付与に伴い,注釈の関連付けを修正するため,理由部の
「認識」を「評価」に変更
平成16年4月17日