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実験方法

実験の手順を以下に示す.
<1>入力文と模範訳
入力文と模範訳と入力文の動詞部分に対応する用言意味属性を用意する. 括弧 内は用言意味属性を示す. <2>文型パターンパーサによる文型パターンの抽出
文型パターンパーサに入力文を入力し, 適合する文型パターン全てを 文型パターンデータベースから抽出する. 文型パターン例1および文型パターン例2に示されるように, 入力文を文型パターンパーサに入力すると複数の文型パターンが抽出される. 本 研究では1入力文に対して抽出される文型パターンの最大数を100パターン とし, 100パターン以上抽出された場合はヒット率(3.4節参照)の高い上 位100パターンを選択する.

また, 文型パターン例1に示されている変数$N$は名詞を表し, 変数$V$は動詞を 表し, 変数$ND$は用言性名詞を示している. さらに, Î<>rentai, Î<>meireiおよび.meireigoは関数を表し, 関数の意味はそれぞれ, Î<>rentaiは動詞の連体形変形である事を示し, Î<>meireiおよび .meireigoは動詞に続く語尾が命令形である事を示している.
<3>用言意味属性を用いた, 文型パターンの絞り込み
入力文の動詞部分の用言意味属性と抽出された文型パターンにおける日本語パターンの動詞部分の用言意味属性を比較する. もし意味属性が一致しない場合は削除する。

対応している入力文の動詞部分と抽出された文型パターンの日本語パターンの動詞 部分(変数$V$の部分)の意味属性がすべて一致しない場合, 文型パターン は削除される. 上 記の例(削除された文型パターン)の日本語パターンの動詞部分と入力文の動詞 部分の意味属性を比較すると, 「$V5$(叱咤非難)」と「注意する(叱咤非 難)」で 一致しているが, 「$V3$(音声発話)」と「横断する(通過迂回)」で一致し ていない. よっ て、上記の文型パターンは削除される.
<4>英語パターンを使った出力英文の作成
手順3の絞り込みで残った文型パターンにおける英語パターンの変数部 分に,入力文に合った英単語を人手で代入し,出力英文とする.

具体的な出力英文作成方法は, 残った文型パターンの日本語パターンに対応する英語パターンの変数 部分にそれぞれ, $V3$に, 入力文の「横断する」に対応する英単語 「cross」を代入し, $N2$に, 入力文の「通り」に対応する英単語「the street」を代入して出力英文を作成する. 出力英文を以下に示す.

(出力英文)
Be careful when you cross the street.
<5>出力英文の評価
すべての出力英文に対してAからCの3段階で評価を行う(3.2節の評価方 法参照).
上記の英文は模範訳とは異なっている. しかし, 英文自体は非常に質 の高い英文となっているので評価Aとなる.
<6>適合率および正解率の算出
すべての出力英文に対して評価を行った後, 評価結果から適合率および正解 率を算出する.



平成18年3月24日