(1)接続部の違和感軽減のための改善案
従来手法では,音素境界が明確でなく,音素境界で切り離すことが困難とされる部分のみ連続母音として扱っている. 改善策として,本研究では母音と撥音が連続する部分を連続母音として扱う. ただし,母音や撥音が多数続く場合があるため,1つの連続母音として扱うのは最大で2音素までとする.
提案手法で作成した合成音声の例を下に示す.
なお,括弧内の「_ |  ̄ ̄ ̄ ̄」はアクセントを表しており,太文字は合成の際に使用された音節である.
遺体を(i/ta-i/o) _ |  ̄ ̄ ̄
=いただき(i/ta/da/ki) _ |  ̄ ̄ ̄ ̄
+ひたいを(hi/ta-i/o) _ |  ̄ ̄ ̄
+手紙を(te/ga/mi/o) _ |  ̄ ̄ ̄ ̄
(2)音量のばらつき軽減の改善案
また,従来手法では波形の選択条件に合致した音節侯補の中でデータベースの上位の素片を選択している. しかし,録音した時間帯が近い音声は,音量や発話速度などが近い音声だと考えられる. そこで,本研究では音節侯補の中で音声を録音した時間帯が近い素片の組み合せを選択する.