: 格助詞の配点について
: 結合価パターンの照合
: 結合価パターンの照合
  目次
本研究では、複数出現する結合価パターンの候補を絞るために格要素に着目し、
名詞と付随する格助詞を利用する事で省略に対応する照合方法を提案する。
省略のある文は、省略部分によって重要性が変わる。
例えば「が」格なら省略しても文全体の意味に影響しない事が多い。
しかし、「を」格は目的格となる場合が多く、省略すると
文全体の意味が曖昧になり、最悪の場合意味不明の文となる。
よって、格助詞の種類によって、重要性が違うと仮定し、
格助詞に点数付けを行う。
また、格助詞が付随する名詞は、意味属性の深さが深ければ深い程
名詞の意味を制約する働きがあると考えられる。
意味を制約する事で候補パターンを絞り込む事ができる事から
名詞の深さを点数として用い、格助詞との積で点数を決定する。
候補パターンの中で格要素の点数合計が
最高得点のパターンを最適なパターンとする事で
候補文を一意に絞る。
具体的には以下の計算式を用いる。
・・・(1)
:パターンの点数 :名詞の意味属性深さ(1〜12) :格助詞の点数
式(1)は、名詞の意味属性の深さが深ければ深いほど
意味的制約が強くなる事を利用する。
また、名詞に付随する格助詞の種類が
文の意味に大きく関わると見て、格助詞にも点数付けを行う。
表の格要素の点数付けについては、[3]にある
結合価パターンでの格助詞の使用頻度によって点数を規定する。
例えば「が」格は頻繁に使用される割に省略しても
文章全体の意味に影響する事は少ないので点数は低くする。
基本的に使用頻度の低い物を重要度が高いとし、点数付けを行う。
また、各パターンにおいての省略部分については減点を行う。
平成14年4月10日