本研究の目的は省略に対応した精度の高い結合価パターン照合方式の 考案にあった。実験結果より、格の深さに注目した点数計算は、 省略において出現した複数の結合価パターン候補を絞る事に対し、 有効である事が分かり、精度の高い照合を可能としたと言える。 しかし、複数の性質を持つ格や受身、使役での格変化の対応について さらに改良の必要があり、特殊な文においても別法則を用いる必要がある。 主に「は」格を用いる二重主格文への対応や さまざまな格に変化する「も」格に対しての対処を行えば さらに2、3％程度の精度向上が可能だと思われる。 また、単文に対しては高い精度で正しい結合価パターンを得る事が出来たが、 重文、複文については失敗パターンが増える可能性があるので 将来的には対応できるようにしたい。