(手順3)において,候補を採用する条件は 「候補文の全ての格要素と用言の間の意味的結束性が正しいこと」である. 一部でも格要素の結束性が確認できない候補文は候補から削除する.
ところで,実際の文には結合価パターンの制約を受けない任意格が存在するため, 結合価パターンだけでは,全ての格要素の結束性が確認できない. さらに,本稿の現状では, 格要素を構成する名詞が名詞句である場合,名詞句の主名詞にしか 一般名詞意味属性による制約が働かない.
そこで,本稿では,任意格を判定する為に, 任意格のルールベースを用いる. 名詞句の問題については,単語辞書,および,接続辞書を用いて,確認をとる.
任意格のルールベースは,例文より任意格要素を集めて作成する. 任意格要素を判定するルールは,名詞部分を一般名詞意味属性で制約し, かつ,使用可能な格助詞を指定する.