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隠れマルコフモデル

隠れマルコフモデル(Hidden Markov Model: HMM)は、状態遷移および出力シンボ ルが確率的に選択され、出力シンボルが与えられても状態遷移系列が一つに定ま らない有限状態オートマトンである。本研究では、状態遷移が一定方向である left to rightモデルを用いる。left to rightモデルの例を図1に示す。

\includegraphics[]{fig1.eps}

図 1: HMM(left to rightモデル)の例

図のHMMは、3状態2ループで構成され、2種類のシンボル(A,B)を出 力する。初期状態は $ S_{1} $、最終状態は $ S_{3} $ である。$ a_{ij} $ は 状態 $ S_{i} $ から $ S_{j} $ に遷移する確率であり、[ ]内の数字が それぞれ、シンボル A,Bを出力する確率になる。$ S_{1} $ を例に とると、 $ S_{1} $ 自身に0.3の確率で遷移し、1.0の確率でシンボルAを 出力する。また、$ S_{2} $ に遷移する確率は0.7で、0.5の確率でシンボル AまたはBを出力する。

図3において、例えばシンボル列ABBが得られたとすると、状態遷移系列と して 「 $ S_{1}→S_{1}→S_{2}→S_{3} $」 と 「 $ S_{1}→S_{2}→S_{2}→S_{3} $」 が考えられ、唯一に決定できないため、このモデルはHMMであると言える。



平成14年3月7日