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普通名詞に対する有効性の確認

普通名詞に対する音節波形接続の有効性を確認した。実験結果を表2に示す。


表 2: 実験結果(1)
  了解度 正解率(%) オピニオンスコア
  FTK FYN 平均 FTK FYN 平均
自然音声 99.5 100 99.75 4.84 4.93 4.89
手動ラベル 98.7 99.0 98.85 3.56 3.94 3.75
市販の音声 97.5 97.8 97.65 3.12 3.26 3.19


表1から、普通名詞を対象にした場合でも、了解度、オピニオンスコアとも高い 値となっており、十分に実用性のある合成音声が作られたことが分かった。

実験結果を詳しく見てみると、了解度試験では、「ぐ(/gu/)」と「ぶ(/bu/)」、 「こ(/ko/)」と「ほ(/ho/)」、「が(/ga/)」と「な(/na/)」、「か(/ka/)」と 「さ(/sa/)」と「た(/ta/)」を間違えた被験者が多かった。例を表3に示す。な お、()内の数字は間違えた被験者の数である。


表 3: 間違いの例(1)
正解 間違いの例
ぐんかん(軍艦) ぶんかん(2)
こくりつ(国立) ほくりつ(2)
こっかい(国会) ほっかい(1),こったい(1)
さいがい(災害) さいない(1)
たいがい(大概) たいない(1)
さくじつ(昨日) かくじつ(1)
かいがい(海外) たいがい(1)
はんたい(反対) たんかい(1)

オピニオン評価では、アクセント位置のおかしいもの、音節の接続部分が不自然 なものに対して評価が低かった。

なお、市販の合成機による音声も品質そのものは悪くはなく、話者性を考慮しな ければ十分な品質が得られた。

参考までに、固有名詞(地名)に対する評価実験の結果を参考文献[1]より引用し、 表4に示す。なお、[1]の実験では、評価ガイダンス文に単語音声を埋め込んだも のに対して評価を行っている。


表 4: 固有名詞に対する実験結果
  了解度 正解率(%) オピニオンスコア
  話者A 話者B 平均 話者A 話者B 平均
自然音声 97.9 99.6 98.8 4.86 4.91 4.89
手動ラベル 97.9 99.1 98.5 4.13 4.03 4.08
市販の音声 90.9 94.3 92.6 1.76 1.72 1.74

表4から分かるように、固有名詞に対する結果と普通名詞に対する結果は似てお り、音節波形接続方式が、固有名詞だけではなく、普通名詞に対しても十分に有 効であると言える。


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平成14年3月7日