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結論

本研究において、結合価パターンを使用することにより、ある程度の精度で動詞が名詞AもしくはBのどちらに係るかを選択できる事が分かった。また、既存の結合価パターンでは文をカバーするには不十分であると分かった。
今後の課題としては、次の点が考えられる。

(1)独自パターンが追加できないものへの考慮

 動詞に対する既存の結合価パターンが存在しない場合や、文に適した結合価パターンがない場合については独自パターンを追加した。しかし、「対する」のような動詞については、動詞と名詞との間に格関係が存在しないものが多く、独自パターンの追加ができないものが多い。これについては名詞の意味的関係について調べ、考慮する必要があると考えられる。

(2)格要素の無い文への規則作成

 5.2節で述べたように、文に格要素が存在しない場合、結合価パターンに正しく適合しない事がある。格要素が存在しない文への新たな規則を作成する必要があると考えられる。また、2.5.3節の比較方法(3)では間違った結果が出力される事がある。結合価パターンに完全に適合しない場合の新たな規則を作り直す必要があると考えられる。



平成14年2月28日