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独自パターン

解析規則のみの評価は、標本文に適合する既存の結合価パターンが存在しない場合や、結合価パターンが登録されていない動詞があるため、低い正解率になった。これを解決するために、独自の結合価パターンを追加して再評価した結果、標本内テストの解析規則での正解率は約87%、解析規則にデフォルトルールを適用したものは約95%に上昇した。以下に追加した独自パターンの例を示す。


 
例20:建物から銃撃するチェチェン側兵士姿
   (正解は名詞A)
動詞「銃撃する」の結合価パターンが存在しないため、P14を追加する。
P14:$N1$(主体)が$N2$(場所)から銃撃する
「から格」の格要素「建物」の意味属性は(施設)
名詞Aの「兵士」の意味属性は(兵卒,軍人)
名詞Bの「姿」の意味属性は(形,姿)
・「建物」の意味属性は$N2$の意味属性に内包される。
・「兵士」の意味属性は$N1$の意味属性に内包される。
・「姿」の意味属性は$N1$の意味属性に内包されない。
よって「銃撃する」は「兵士」に係ると判断する。正解は名詞Aで、結果も名詞Aなので、評価は◎となる。


 
例21:シベリアから飛来したオオハクチョウ群れ(正解は名詞A)
動詞「飛来する」の結合価パターンが存在しないため、P15を追加する。
P16:$N1$(鳥,乗り物(空圏))が$N2$(場所)から飛来する
「から格」の格要素「シベリア」の意味属性は地域(範囲)
名詞Aの「オオハクチョウ」の意味属性は(鳥)
名詞Bの「群れ」の意味属性は(群,集団)
・「シベリア」の意味属性は$N2$の意味属性に内包される。
・「オオハクチョウ」の意味属性は$N1$の意味属性に内包される。
・「群れ」の意味属性は$N1$の意味属性に内包されない。
よって動詞「飛来する」は名詞A「オオハクチョウ」に係ると判断する。正解は名詞Aで、結果も名詞Aなので、評価は◎となる。



平成14年2月28日