誤判定、及び判定漏れを起こした対象文について調べたところ、第2章で述べ た英文との対応付けによる分類では対処できない表現も多くみられた。これ に関しては、さらに分類を追加、あるいは細分化することで対処することが 可能と思われる。
今後は、さらなる解析精度の向上を目指すべく、用法分類、及び判定条件を
再検討する必要がある。また、本手法を実際に計算機上で行う場合の検証、
及び本手法を「ば」、「と」、「ても」以外の接続助詞を持つ重文の接続の
意味解析に有効かどうかの検証も行っていく必要がある。
参考文献
[1] 木村啓一、西沢信一郎、中川裕志:述語の意味を用いた日本語順接複
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[2] 仁田義雄:複文の研究(上)シテ形接続をめぐって、くろしお出版(1995)
[3] 向仲こう:動詞の主体の属性を用いた複文の連接関係の解析、自然言語処
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[4] 井上慎一、池原悟、足立守啓:接続助詞「が」を持つ重文の
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[5] 国際交流基金 日本語国際センター:基礎日本語学習辞典、
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