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構文体系

また,「構文体系」の結合価パターン(図5参照)は,用言と格要素の意 味的関係を記述したものである.これにより用言と底の名詞との間に意味的な制 約が生まれ,この制約を利用して,「内と外の関係」の判断にも応用できると考 えられる.



  
Figure 5: 結合価パターンの例
\begin{figure}
\small {
\begin{center}
\begin{tabular}{\vert cc\vert} \hline
...
...& \framebox (35,12){任意格} \\ \hline
\end{tabular} \end{center} }
\end{figure}

「構文体系」において,図5のように登録されている結合価パターンの格関係は 「必須格」とされ,これは,それぞれの用言にとって必要とされる格関係である. しかし,図5に示すように,格関係のなかには「時」「場」などのように用言に よってはなくてもよいものもある.このような格関係は「任意格」とされ「構文 体系」の中には登録がされていないが,日本語複文において底の名詞となること もあるため,格関係とみなすことができる.

以上のことより,日本語語彙大系[4]を用いることで格関係の有無を決定で きると言える.




2002-03-06