4.1節より底の名詞が「具体」配下の場合,「内の関係」とみなすことができる が,底の名詞が「抽象」配下の場合は「内と外の関係」が決定できない.そこ で, 底の名詞が「抽象」配下の場合の判定方法を考える. 修飾部に「という」を含む場合は,明らかに「外の関係」となる.底の名詞が 「抽象」配下の場合,動詞により「内の関係」と「外の関係」を判断できると 考えられる(図4参照).具体的には,動詞「実施する」は,「N1 がN2を実施する」の結合価パターンを持ち,底の名詞「試験」の意味属 性[…/抽象/事/人間活動/…]が当てはまるため,格関係を持ち「内の関係」と なる.また,動詞「飲む」の結合価パターンには,底の名詞「時間」の意味属 性が当てはまらないので格関係がないとし,「外の関係」と言える.