図よりピッチ周波数の分散は、モーラ位置に対するピッチ周波数の変動に 比べて非常に小さく、ピッチ 周波数は、単語に関係なく単語のモーラ数、モーラ位置で表現できることがわか る。 図のモーラ数5の場合の各モーラ位置におけるピッチ周波数の分散を 表に示す。
表からモーラ位置1のときピッチ周波数は、250〜340Hz、 モーラ位置4のときピッチ周波数は、160〜210Hzというように 単語のモーラ数とモーラ位置が決まることでピッチ周波数がほぼ決まることがわ かる。
4、6モーラ語も同様の傾向を示し、分散も5モーラ語 と同程度であったと報告されている。
このことから、母音と撥音の音素を 単語のモーラ数、モーラ位置を使い分類して 学習、単語音声認識を行うことで ケプストラムにおけるピッチ周波数の影響を分離できると考え、その結果 単語音声認識の認識率は向上すると推定される。