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実験結果

[*]と表[*]に、それぞれ、男性話者と女性話者の DiagonalのHMMを用いた単語音声認識の結果を示す。 評価には(1)式から得られる誤り率を使用した。
\begin{displaymath}
誤り率=\frac{誤り単語数}{認識単語総数}\times 100
\end{displaymath} (1)

また、モーラ情報を使用することによって改善された誤りの度合いとして、(2) 式から得られる改善率を使用した。

\begin{displaymath}
改善率=\frac{誤り数_{no-mora}-誤り数_{mora}}
{誤り数_{no-mora}}\times 100
\end{displaymath} (2)

ここで$誤り数_{mora}$は、モーラ情報を使用したときの誤り数を、 $誤り数_
{no-mora}$は、モーラ情報を使用していないときの誤り数をそれぞれ示している。


表: 男性話者の認識結果(Diagonal)
モーラ情報未使用 モーラ情報使用
話者 単語総数 誤り数 誤り率 誤り数 誤り率 改善率
mau 2592 115 4.44% 92 3.55% 20.00%
mht 2590 110 4.25% 99 3.82% 10.00%
mms 2591 133 5.13% 103 3.98% 22.56%
mmy 2592 145 5.59% 134 5.17% 7.56%
mnm 2594 164 6.32% 128 4.93% 21.95%
msh 2592 159 6.13% 130 5.02% 18.24%
mtk 2592 104 4.01% 99 3.82% 4.81%
mtm 2592 141 5.44% 113 4.36% 19.86%
mtt 2592 109 4.21% 104 4.01% 4.59%
mxm 2592 165 6.37% 132 5.09% 20.00%


表: 女性話者の認識結果(Diagonal)
モーラ情報未使用 モーラ情報使用
話者 単語総数 誤り数 誤り率 誤り数 誤り率 改善率
faf 2592 119 4.59% 117 4.51% 1.68%
ffs 2590 121 4.67% 88 3.63% 22.31%
fkm 2592 224 8.64% 202 7.79% 9.82%
fkn 2589 132 5.10% 115 4.44% 12.88%
fks 2589 196 7.57% 167 6.45% 14.80%
fms 2592 110 4.24% 113 4.36% -2.73%
fsu 2592 117 4.51% 124 4.78% -5.98%
ftk 2594 150 5.78% 121 4.66% 19.33%
fym 2589 133 5.14% 106 4.09% 20.30%
fyn 2591 128 4.93% 109 4.21% 14.84%


表: Fullにおける認識結果
モーラ情報未使用 モーラ情報使用
話者 単語総数 誤り数 誤り率 誤り数 誤り率 改善率
mau 2592 96 3.67% 70 2.70% 26.67%
mmy 2592 112 4.32% 83 3.20% 25.89%

結果から、男性話者10名中10名、女性話者10名中8名においてモーラ情報を使用す ることよって誤り率が減少した。 誤り率は、男性話者の場合、平均0.81%の減少が見られ、女性話者の場合、平均 0.63%の減 少が見られた。また、データベースAset全体では平均0.72%の減少が見られた。 改善率では、男性話者の場合15.69%、女性の場合11.33%の誤りの改善が見られ、 全体では13.44%の誤りの改善が見られた。

FullのHMMを用いた単語音声認識の結果を表[*]に示す。 モーラ情報を使用することで、 話者mauの場合、誤り率は3.67%から2.70%に、約1%の減少が見られ、 話者mmyの場合、4.32%から3.20%に、1%以上の減少が見られた。 改善率では、mauの場合26.67%、mmyの場合25.98%の誤りの改善が見られた。


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平成14年4月24日