標本に付与されている英訳を参照し,日本語の「AのB」に対応する英訳部 分を見つける。ここで,日本語と英語との対応ができなかった文を標本より除く。 以下に標本より除いた文と例を示す。
標本より除いた文
・対応する英訳部分が省略されている
例 : 場合によりプログラムの一部を変更します。
There will be a change in the program due to circumstances.
・英訳が意訳である
例 : 彼は京都の地理に明るい。 / He realy knows Kyoto.
・名詞句の名詞が形式名詞(90個),数詞(9個)である
例 : あなたのことは主人からよく聞いています。 I have heard a lot about you from my husband.
・名詞句の名詞が位置関係を表す(11種,69個) 「Aの上」,「Aの中」,「Aの下」,「Aの下(もと)」,「Aの外」,「Aのそば」,
「Aの前」,「Aのまわり」,「Aの間」,「Aの向こう」,「Aのうしろ」
例 : 鞄の中に何が入っているか当てられないでしょう。
I bet you can't guess what I have inside my briefcase.
次に,標本に対して英訳の英語表現形式を決定し,それぞれの形式ごとに分類し
た。ここで,英語表現形式とは翻訳を目的として名詞句の英語部分をグループ化
したものである。例えば「my father」の英語表現形式は「A's + B」となる。
以上より, 決定可能であった表現形式 は1104文で表現形式は57種類であった。表現形式とその頻度を図1に示す。 57種類の表現形式において頻度が高く,文脈に依存していない8種類は,表現形式に分類できた文の9割程度を占め,翻訳において十分であると考え,本研究のルールにおいて 検出可能な表現形式とした。以下に8種類の表現形式と例を示す。
英語表現形式とその例
1.A's + B 型 例 : my father 2.B of A 型 例 : price of car 3.A + B 型 例 : pine tree
4.Aの形容詞 + B 型 例 : rainy day
5.B in A 型 例 : university in Kyoto
6.単語 型 例 : moonlight
7.B for A 型 例 : responsibility for the incident
8.B on A 型 例 : rock on the shore