例14:彼は相手に意向を質した。
対訳14:He asked the other party of their intention.
ALT訳14:He asked his partner about a mind.
例15:彼の体は薬で損なわれている。
対訳15:His body has been ravaged by the drug.
ALT訳15:His body has been ruined with medicine.
例14では「1(主体)が
2(主体)に
3(抽象)を質す」というパターンが対応
している.例14の訳し分け
対象の名詞「意向」には『意図』と『思想』の二つの意味属性
が定義されている.しかしこの二つの意味属性は共に『抽象』配下
である.よってこのパターンにおいて「意向」の意味属性は一意に決定できな
い.したがって,大きく訳語を絞り込むことはできても一意に決定できない.
この原因はパターンが用言の訳し分けを目的に作られたのが原因と考えられる.
つまり用言の訳語が同じパターンの場合,格要素の名詞の意味属性は,
他のパターンと住み分けができる程度までしか定義されていない.よってその意味属性
の範囲内での格要素の名詞の訳し分けは保障されていない.
この問題の解決方法として「1(主体)が
2(主体)に
3(意図,思想)を質す」と,意味
属性の制約を強めたパターンを追加することが挙げられる.
意味属性の制約を強くしたパターンの追加により,文意に合わせてパターン
の意味属性を選択できるようになると考えられる.
しかし入力文の情報から文意を判断し,正しい意味属性のパターンを選択する
ことは現在の結合価文法では困難と考えられる.