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実験システム

結合価文法を実際に人手で適用することは困難なため,翻訳ソフト「ALT-J/E」 (以下ALTとする)を用いる. ALTは結合価文法を用いて訳語選択を行なう.よって本研究 ではALTの結果から結合価文法の効果を検証する. 実際に人手でパターンを適用すると,一意にパターンを決定できない場合が有 る.図4の例「母が大根をおろした」では,『大根をすりおろした』のか『大 根を(市場などへ)卸した』のか判断ができない.こうした場合,人手でパター ンを一意に決定することができない

一方ALTでは,人手で一意に判断できない場合についても頻度情報によって一意 にパターンを決定する.ここで頻度情報とは各パターンの使用頻度などから各見出し 語の各パターンに重みを付与したもののことである.格要素などの情報から 一意にパターンを決定できない場合に,ALTではこの頻度情報によって一意に訳語を決 定する. よって,ALTを用いるこ とにより,人手で行なう場合に比べて精度が高くなる可能性があると考えられる.しかしそ の結果も訳語選択の基本に結合価文法を用いているので,それも含めて結合価 文法の訳語選択能力の評価とする.

図 4: 人手によるパターン適用の問題
\scalebox{1}[1]{\includegraphics{hito.eps}}

図 5: ALT-J/Eにおける頻度情報によるパターン選択



平成15年5月19日