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まとめ

本研究では、文節間の係り受け関係を利用した類似文検索アルゴリズムを提案した。 日本文の持つ係り受けの特徴を利用し、係り受け関係を 構成する文節をペアで扱い、入力文と一致する文節ペア数が最も多い文を 構造的に類似した文として決定する。この方法により、文の構造的類似性を 判定することが可能である。 この提案したアルゴリズムの動作を確認するため、手順に従った 類似文検索システムを試作し、独自に係り受け関係を与えた120文を対象に 動作確認実験を行った。実験の結果、入力文として用いた20文全てに対して 類似文を決定することができ、複雑な係り受け関係を持つ文に対しても 類似文が得られた。 これらの結果より、提案したアルゴリズムの動作が確認され、構造的類似文 検索システムとして利用できることが示された。

今後は、現段階でアルゴリズム全体を3つの手順に分割し、それを繰り返すこと で処理を行っているため、高速化も含めたアルゴリズムの見直しが第一に 必要である。その後、日本文による動作確認、日本文に対応する英訳文との関連、 用例翻訳への応用の実現と将来的に展開していく。 最後に、今後のための参考資料として、日本文における動作の一例を示しておく。



平成14年5月1日