実験データとしては単文50文を用いる。以下に実験条件を示す。
単文は単一の名詞からなる格要素(1〜3格)と終止形の用言で構成される
<単文例>
● 彼は答案と正解を合わせる
● 彼らは私を仲間に入れる
● 彼は机にニスを塗る
音響モデルは不特定話者モデルを特定話者適応して用い、音声入力は適 応させた話者と同一の話者(男性話者一名)により行う。
音声認識ソフトウェアから得られる単語候補中には必ず正解単語候補を 含むこととし、単語候補は優先順位が最大五番目までのものを用いる。こ れは単語候補数の増加に対し、候補文数が指数関数的に増加してしまう ためである。
正解単語候補の存在する順位を調べるため、サンプルテストとして単文 100文に対し音声入力を行った。この結果、正解単語候補が必ず単語候 補中にある文の内、約九割の文において正解単語候補が優先順位五番目 までに存在することが分かっている。
音声認識ソフトウェアから得られる単語候補マトリクス(3章参照)を全展開する ことで得られる文を候補文とする。