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概要

日英機械翻訳においては,時間表現の意味のずれが翻訳 品質を低下させる原因の一つとなっている.時間表現が表す概念には,事象の時間的位 置を表すテンス,動作や状態の時間的な局面を表すアスペクトなどのカテゴリー がある.これらを言語表現から見た場合,例えば,日本語では,同じ表現で過去と完了 を表すのに対して、英語では,過去と完了では,異なる表現を用いており、 両言語間でずれが生じている.

従来の時間表現の翻訳では,表層上の対応関係から作成された翻訳規則が用いら れていた.しかし,言語表現上の違いを克服するためには,表現上の関係を規則 化するのではなく,原言語から客観的な時間関係を抽出し,それを目的言語の枠 組みのなかで捉え直す仕組みが必要である.

本稿では,動詞と時間副詞の時間的性質に着目し、日英翻訳を対象に, 中間表現を介して翻訳を行う方法を提案する.本手法の評価実験を,和英辞典 600文を対象に行なったところ、73.2%の一意正解率を得た.




2002-03-07