next up previous contents
Next: Contents Up: No Title Previous: No Title

概要

柔軟で意味的に適切な翻訳を実現する方法の1つとして, 意味としてまとまりをもつ原言語の表現をパターンとし, 意味類型を介して目的言語 の 表現と対応づける方法 が注目されている.この手法は 従来の単一的な対応でなく,1対複数で行われるため, 原文に応じて訳語の表現を選択できる可能性がある. しかし意味類型を用いた手法を実現するためには,複数の表現の候補の中から 訳語の表現を原文に応じて一意に決定する手法が必要となる.

そこで本研究は,まず 比較文型を例としてとりあげ,意味類型を用いて原言語の パターンに意味・品詞において 対応する複数の目的言語のパターンを抽出する仕組みを示した. またパターンを原文に応じて一意に決定するために, 原文中のパターンに含まれない単語や変数の意味に着目し,複数のパターンの 候補の中から原文に応じて一意にパターンをしぼりこむ手法を示した.

本手法の性能調査のため,対訳コーパスに適用して性能評価を行った. その結果, 56%の割合で,パターンを原文に応じて絞り込む手法を適用することができた. またデフォルトパターンとの比較を行った結果,原文に応じて絞り込んだパターンの方が 適している割合が高いことがわかった. これにより意味類型を用いて最適なパターンを決定できる可能性がある.




2002-03-06