next up previous contents
Next: (2)結合価パターンの制約条件を満たさなかった文 Up: 単文の評価例の解析 Previous: 単文の評価例の解析

(1)結合価パターンの制約条件を満たした文

評価Cの例を以下に示す。
例1)若主人が 惜敗を/に/で しくじる
例2)国語伝習所が 銅婚式を/に/で しくじる
例3)人波が 新陳代謝を/に/で しくじる

例1の文では、2格の惜敗が意味的に誤っている。惜敗の意味属性は(1760:敗北) であるので、結合価パターンの制約条件から(1760:敗北)を除くことが不備の解消に つながると考えられる。 だが、(1760:敗北)には名詞「位負け」があり、「位負け」を例1に当てはめると以下に 示す文となる。

若主人が 位負けを/で/に しくじる

上記の文は意味的に適切な文である。例2や例3の単文でも同様のことがいえる。 単純に意味的に誤っている名詞の意味属性を制約条件から除くことが、 結合価パターンの不備の解消につながるわけではないことがわかった。





2000-04-19