文中に用いられた用言は、そこから位置関係を構成しようとするとき非常に重要 になることがある。そこでまず、用言が持つ位置関係に関わる情報について考え てみると、大きく分けて次の2つがある。
1. 位置関係がほぼ決まるタイプ
例えば、「乗る」などがこれに該当する。2つの対象において、「乗る」という 関係は一方の対象が、もう一方の対象の上部に支持されるかたちで存在している というふうに、位置関係をほぼ決めることができる。
2. 対象の状態が決まるタイプ
「置く」「飛ぶ」などのような用言で、対象間の位置関係そのものを提示しない までも、それを決めるうえで重要となる対象の状態を簡潔に決めることができる。
もちろん、あらゆる用言がこのような位置関係に関わる情報を持つわけでは
ない。しかし用言から得られる情報は、先に述べた方向領域や距離特性から得る
ような類推を含んだ情報に比べ、直接的であり確実であると考えられるので、最
も優先して扱われるべきである。