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機械翻訳における問題点の一つに、言語表現の構造の曖昧性の問題がある。
日本語では特に名詞句の構造が曖昧である。このため名詞句の
研究は多く行われてきた。例えば、助詞「の」が結ぶ名詞の意味関係の解析[1]、
フレーム構造を用いた名詞句「AのB」の意味解析[2]、名詞句「NPの
NP」の意味構造[3]などがある。
しかしこれらは、体言のみを含んだ名詞句を扱っており、用言を含むものは扱っていない。
また、文法的情報のみによる構文解析では、名詞句の構造を一意に決定することが困難であった。
そこで本研究では、形容詞+「並列型名詞句」(形容詞+名詞+助詞+名詞)の名詞間の抽象度の差に着目した形容詞の係り先決定法を提案する。本手法を新聞記事1年分より収集した293件に適用し、本手法の有効性を検討する。
本論文では以下、第2章に名詞句とその解析について、第3章に着目点について、第4章に形容詞の係り先決定法について、第5章に実験について、第6章に考察について、第7章に結論を述べる。
MatobaKazuyuki
平成11年4月16日