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量的観点と係り先
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名詞間のバランス
形容詞の分類
「形容詞+名詞A+並列助詞+名詞B」においては、 形容詞の観点が名詞Aと名詞B間との意味距離に影響するなど、 形容詞の分類が重要である。 形容詞は量的観点を持つ形容詞と、質的観点を持つ形容詞に大別することができると考えられる。分類について以下に示す。
1.
量的観点を持つ形容詞
量的観点を持つ形容詞とは、主観を程度によって表現できる形容詞である。 量的観点を持つ形容詞はさらに次のように分類できる。
(a)
空間的量の大小
「大きい」「あらい」など
(b)
その他の数量
「多い」「少ない」など
(c)
速度
「はや(速・早)い」「遅い」など
(d)
新旧
「新しい」「古い」など
(e)
強弱
「強い」「弱い」など
(f)
難易
「難しい」「易しい」など
(g)
味
「おいしい」「まずい」など
(h)
音
「大きい」「小さい」など
(i)
温度
「暑い」「暖かい」「涼しい」「寒い」など
(j)
美醜
「美しい」「醜い」など
(k)
におい
「香ばしい」「くさい」など
2.
形容詞の質的観点
質的観点とは、主観を程度による相対的な表現でなく、絶対的な主観によって表現する観点である。 質的観点をさらに、話し手の主観を反映する場合と、名詞の概念に付随する場合とに分類する。
(a)
話し手の主観を反映する質的観点
「ふさわしい」など、名詞の質を詳細に修飾する形容詞である。
これらは、名詞の概念に影響されることなく、状況によって様々な名詞が共起し、 話し手の主観を状況に応じて反映する形容詞である。
(b)
色に関する質的観点
「青い」「白い」など、名詞の色を修飾する形容詞である。 色に関する表現は、話し手の主観を反映することがなく、名詞固有の概念に付随している。
そのため係り先を判定するには、個々の名詞の情報が必要となる。
MatobaKazuyuki 平成11年4月16日