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本研究で翻訳の検討に用いた手法

本研究では接頭・接尾辞の翻訳規則作成において,ターゲットの名詞と接頭・接尾辞の意味的用法を表すため,「意 味属性番号」を使用する。また,数詞で示される数量の細かさを表す尺度として,新たに「精細度」を定義する。ここ で使用する「意味属性番号」と「精細度」は,以下の通りである。

「意味属性番号」
本研究では接辞と名詞の意味関係の判定に岩波書店より出版された日本語語彙体系[5]の「意味属性番号」を用いる。「意味属性番号」とは約40万語の名詞を最 大12段、2710の属性に分類した木構造の番号を指す。

「精細度」
例えば,「約1230個」と「約1000個」の表現を比べると,前者の示す数値が細かいのに対して後者の示す数量は大ま かである。このような数量表現の表す数値の「細かさ」と「大まかさ」を表現するため,数詞の桁数に対する有効数字 の割合を表す指標として「精細度」を以下の通り定義する。

\begin{displaymath}
数の精細度 =\frac{桁数 − 0の桁の個数}{桁数}
\end{displaymath} (1)


この値は,0〜1までの範囲にあり,1に近付くほど細かさが増す。以下,精細度 の計算例を示す。

例:1234560000 → 6/10 = 0.6 (1に近付く程明確)
例:1000000000 → 1/10 = 0.1 (0に近付く程曖昧)



平成13年5月10日