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まず、各々の用言に対して、格要素と底の名詞、また用言の用法を判断するため
に、結合価パターンのマッチングを行なう。これは、対象とする用言の標準表記
をキーとして、辞書から結合価パターンの候補を読み出し、用例側の助詞と名詞
の対応関係を照合することによって行う。この場合、誤った格要素は採用しない
ように、以下の制限を加える。
- 1
- ハ格など、動詞を越えて係る可能性の高い格を除いて、着目す
る用言の直前までの格要素を候補とする。
- 2
- 重なる格があれば用言に近い方を候補とする。
こうして選択した格要素と、用言の結合価パターンから、用言の用法と格要素の
絞り込みを行う。この場合、用例の格が適合する結合価パターンの名詞意味属
性の深さと、適合した格の数をスコアとした。
「人の顔を追跡する」という文であれば、「追跡する」には
「身体動作」と、
「思考動作」のふたつの用法がある。この場合
「顔」の持つ意味属性のうち動物の一部としての「顔」という属性が「身体動作」
の意味の「追跡する」のヲ格を取ることができる「動物」の下位属性にあたるの
で、「追跡する」の用法は「身体動作」であり、「顔を」はこの「追跡する」の
格要素であると判断される(表 )。
Table:
結合価パターン選択
|
ガ格 |
ヲ格 |
用言 |
用例 |
(なし) |
人の顔 |
追跡する |
|
[0pt][0pt]主体 |
|
主体 |
|
[0pt][0pt]追跡する |
結合価 |
[0pt][0pt]乗り物 |
× |
動物 |
○ |
|
パターン |
|
|
乗り物 |
|
[0pt][0pt](身体動作) |
|
主体 |
[0pt][0pt]× |
情報 |
[0pt][0pt]× |
追跡する |
|
機械 |
|
乗り物 |
|
(思考動作) |
また、連体節の場合では、用法と格要素を選択したのち、選択された結合価パター
ンの中で空いている格に対して底の名詞を当てはめることで、底の名詞が格要素
として扱うことができる内の関係と、そのときの格助詞を判断する。
こうして、各用言に対し、格要素、底の名詞との関係を含めたパターンを作成す
る。
Figure:
意味属性による規則(属性変化の場合)
6#6 |
asano
2000-03-15