小レポートの採点に関して
今回の小レポートの採点に際し、減点にした基準を説明します。
- クラス・メソッドの定義が掲載されていない
- 継承の練習問題なので、クラスの継承の様子が分るようにレポートを書
かれていなければ減点としました。また、メソッドの定義も同様です。
- オーバーライドの使い方の誤り
- 携帯電話とお財布携帯という2つのクラスを定義した際に、電話番号を登
録するメソッド名を entry:、お財布携帯のクレジット番号を登録するメソッド
名も entry: としている場合に、メソッドのオーバーライドとなります。しか
し、2つのクラスの意味を考えると、適切なオーバーライドにはなっておりま
せんので、減点としました。
- インスタンスを余分に作った実行結果である
- 今回は、上位クラスのインスタンスと、下位クラスのインスタンスとい
う合計2つを作れば、適切な動作結果を作ることができます。しかし次のよう
に、余分なインスタンスを作って動作結果を示している場合には、インスタン
スの意味を理解しているとは思えませんので減点としました。
OsaifuKeitai new setCreditNumber
OsaifuKeitai new setCallNumber: '123'
Keitai new setCallNumber: '456'
- コメントが少ない
- クラス定義、メソッド定義、および、実行結果(Workspace、Transcript)
について、意図や読み方の説明をしてほしいのですが、全く記載されていない
ことがあります。その場合は、減点としました。自分のプログラムを、自分の
言葉で説明するときに、思わぬ誤りを見付けることがあります。その練習と思っ
て、情報工学演習では、コメントを手書きすることにしましょう。
次に、減点はしていませんが、適切なプログラム作成や動作説明のための
ポイントを以下に示します。
- メソッド名のつけ方
- Smalltalk では、通常、次のようにメソッド名をつけます。
- オブジェクト名:大文字で始まる名詞
- 変数名:小文字で始まる文字列
- メソッド名:小文字で始まる動詞句
- 1つの単語で記述できないときは、2単語目の最初を大文字にします。ま
た、動詞句という言葉は聞きなれていないと思います。英語で、5文型という
言葉は聞いたことがあると思いますが、SVCやSVOなどがあります。動詞句は、
VCやVOの部分を指します。たとえば、電話番号を表示するというメソッド名は、
“showNumber”と記載します。
- クラスの上下関係のあることの効果が分る動作例
- 下位クラスのインスタンスに対して、上位クラスのメソッドのためのメッ
セージを送り、それが正しく動作していることが分るような、Transcript や
inspect の出力を示すことで、上下関係の効果が分ります。
(C) 2008.5.7 by tokuhisa