合成音声の評価のために,音声研究に関わったことのない9名を対象に,自然 音声と合成音声をランダムにヘッドフォンから被験者に聴かせ,了解度試験, オピニオン評価,対比較実験の3つの実験を行う.
音声の明瞭性を調べるために了解度試験を行う.了解度試験では,比較対象の 文節がどのように聞こえたかを仮名で書き取らせる.自分の知識を用いず,聞 こえたとおりに書き取るように指示する.
音声の自然性を調べるためにオピニオン評価を行う.オピニオン評価では,自 然に聞こえた度合を5段階(5が最も自然,1が最も不自然)で評価するように 指示する.
作成した音声の評価のために対比較実験を行う.そして,対比較実験は同じ内 容の自然音声と合成音声の文節を続けて聞かせ,どちらの音声が自然に聞こえ たか判定する.
なお,了解度試験とオピニオン評価では,比較対象となる文節を文節発声され た自然音声の文の中に埋め込み,比較対象の文節のみを評価対象とする.了解 度試験とオピニオン評価で使用する文の例を下に示す.なおアンダーラインを 引いた文節が埋め込み箇所である.
(例) 全部員が 優勝を 目指して 練習に 励んでいる
対比較実験では文節を文に埋め込んで行うのではなく,文節の音声のみで行う.