合成音声の評価のために,了解度試験とオピニオン評価と対比較試験を行う. 被験者は音声研究に関わった経験のない人5名である.評価は,作成した普通 名詞(可変部)を自然音声の文(固定部)に埋め込み,自然音声が含まれる音 声ガイダンスと合成音声が含まれる音声ガイダンスをランダムに再生して,ヘッ ドフォンを使って行う.
初めに,合成した普通名詞の明瞭性を調べるために了解度試験を行う.了解度 試験では,音声ガイダンスの固定部の発話内容と可変部の場所を予め示して おき,可変部がどのように聞こえたか仮名で書き取らせる.自分の知識などは 用いず,聞こえたとおりに書き取るように指示する.
次に,合成した普通名詞の自然性を調べるために,オピニオン評価を行う.音 声ガイダンスの全ての発話内容と可変部の場所を予め示しておき,可変部にの み評価するように指示する.オピニオン評価では,自然に聞こえた度合を5段 階(1が最も不自然,5 が最も自然) で評価する.
最後に,対比較試験を行う.音声ガイダンスの発話内容を一切提示せずに,自 然音声の音声ガイダンスと合成音声を含む音声ガイダンスを聞いて,自然に聞 こえる音声ガイダンスを選択する.