本研究では音素ラベルに単語のアクセント型と各モーラ位置のアクセントの高 低の情報を加えたモデル(以下,アクセントモデル)[9]を用いる.この アクセントモデルは母音,撥音,促音の音素ラベルにモーラ数およびモーラ位 置およびアクセント位置の情報を付与する.具体的には母音,撥音,促音の音 素の後に7桁の数字を加える.始めの2桁の数字は単語のモーラ数を表す.次の 2 桁の数字はモーラ位置を表す.次の2桁の数字は単語のアクセントの型を表す. 最後の数字1桁はそのモーラ位置でのアクセントの高低を示し,0か1である.0 は低,1は高であることを表す.
また,本研究ではアクセントモデルに前後の音素環境情報を加えたモデル(以下, アクセントtriphone モデル)を提案し,評価する.また,通常の音素ラベルを 用いて学習した音素HMMを基本モデル,通常の音素ラベルにおいて前後音素環境 を考慮したモデルをtriphone モデルとする.
アクセントモデルとアクセントtriphoneモデルとtriphoneモデルのラベルの分 類例を表1に示す.表中のラベル表記で, の後の音素は後 音素環境を, の前の音素は前音素環境を表現する. 図1に例を示す.