まとめ

本研究では，波形接続型単語音声合成におけるアクセントの有効性を検証した． 聴覚実験における合成音声の単語了解度は，音素単位の場合で99.3%，音節単位 の場合で99.6%が得られた．また，オピニオンスコアはそれぞれ4.1，4.3であっ た．またアクセントを考慮することで，オピニオンスコアはそれぞれ0.4，0.3向 上した．これらのことから，普通名詞において波形接続型音声合成を適用した場 合，アクセントが，自然性の向上のために有効であることが分かった．一方，自 然音声の単語了解度は99.8%，オピニオンスコアは4.9であり，波形接続型単語 音声合成は，自然音声には及ばなかった．

今後の研究課題としては，さらなる自然性の向上を目指して，様々なパラメータ を導入する必要がある．また，音声コーパスが同一でも，作成できる単語数を増 加させるために，パラメータのグループ化，特に後音素環境における子音のグルー プ化を検討していくことが重要であると思われる．