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本論文では、漢字かな1文字に対応した確率付き有限状態オートマ
トンおよびergodic HMMを用いた形態素解析の手法を提案し、その
解析精度を調べた。この結果、状態遷移確率とシンボル出力確率を
品詞が付与されているテキストデータから直接計算したときは
70.2%が得られたが、品詞未知のテキストデータからBaum-Welchの
学習アルゴリズムを用いたときは44.8%であった。また2nd-order
HMMを使用したときは82.2%の高い解析精度が得られた。これらの
実験結果から、ergodic HMMのような簡単な言語モデルを用いても、
ある程度の解析精度が得られることがわかった。しかしBaum-Welch
の学習アルゴリズムを用いたときの解析精度は、まだ、かなり低く、
学習方法に改善の余地があると思われる。今後、このモデルと従来
の形態素解析の方法を組み合わせることにより、未知語にも対処で
きるので、より高い解析精度が得られる可能性がある。
平成15年9月30日