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結論


本論文では、Ergodic HMMと確率つきネットワーク文法が類似した 構造を持ち同種のパラメータで表現されること、およびBaum-Welch algorithmでHMMのパラメータを学習できることに着目しErgodic HMMによるネットワーク文法の獲得の可能性を検討した。

Ergodic HMMにテキストデータの単語列を学習させ、学習後のHMMを 解析した結果、Ergodic HMMは各遷移ごとに単語の品詞と関連して グループ化がされていることがわかった。またErgodic HMMの状態 数が増えるほど、細かくグループ化が行なわれていることがわかっ た。また、連続音声認識実験において認識率が向上することから Ergodic HMMは一般的な言語情報を獲得する可能性がある。

以上のように、Ergodic HMMを用いることによって大量のテキスト データから確率つきネットワーク文法が自動的に獲得できる可能性 があること、同時に新しい品詞体系も得られる可能性があることが 示唆された。

謝辞
本研究を進めるにあたって、ATR自動翻訳電話研究所の皆様に懇切 なる御指導を賜わりました。特にErgodic HMMの解析に関しては、 浦谷氏、竹沢氏の協力を得ました。心から感謝の意を表します。

なお本研究は村上、嵯峨山のアイデアの下に山本が実験をしたもの で、より詳細なデータは[13]に載せているので、興味 あるかたはこれを参照して下さい。



Jin'ichi Murakami 平成13年10月5日