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(1)二次元規則の発見

二次元規則では,表現を規定する$N$個の変数のうち,2個の変数の値が与えられ るとクラスが決定されるから,得られる規則は,指定される変数の組み合わせに よって,${N(N-1)/2}$組に分類される.以下では,そのうちの任意の一組の規則につ いて考える.

さて,対象とする表現が,${m_1}$番目の変数と${m_2}$番目の変数で定義されるような二 次元の構造規則(${m_1\leq m_2}$とする)を抽出する.${m_1}$番目と${m_2}$番目の「意味属性 数の木」の情報から,行番号,列番号をそれぞれの「属性数の木」のノード番号 (意味属性番号)とし,要素を「事例数リスト」 $({n_1,n_2,\dots,n_K})$とす る二次元配列を作成する.但し,${n_i}$は,変数${m_1}$${m_2}$の値が,それぞれ行番号, 列番号で示される意味属性であるような事例のうち,クラスが$i$である事例の数 を表す.図6に$K=2$の場合の例を示す.

図: 二次元規則の抽出
\begin{figure}\begin{center}
\epsfile{file=zu6.eps,scale=0.9}
\end{center}\vspace*{-4mm}
\end{figure}

一次元規則の場合とほぼ同様,二次元規則は,この二次元配列から求められる. その方法は以下の通りである.

二次元配列の要素に示された$K$個の事例数のうち,どれか一つを除くすべての 数値が0であるような要素を考える.このような要素は,該当する変数の位置に, 配列上の行と列で表される意味属性の語が使用された事例では,例外なくそのク ラスが一意に定まっていることを示している.このことにより二次元規則は容易 に抽出できる.

例えば,いま,$\char93 {j_1}$$\char93 {j_2}$列の位置の要素 $({n_1,n_2,\dots,n_K})$の値 が, $(0,0,\dots,{n_i},0,\dots,0)$であるとすると,下式の二次元規則が得ら れる.

    $\displaystyle {(*,\dots,\char93 j_1,*,\dots,\char93 j_2,*,\dots;i)}$ (7)
    $\displaystyle 但し{n_i}\neq 0,また,{\char93 j_1},{\char93 j_2}は意味属性番号で,変数リストの先頭より,$  
    $\displaystyle それぞれ,{m_1}番目,{m_2}番目に位置する.$  

なお,一次元規則の場合と同様,規則生成後,当該ノードの事例数リストの値は, すべてゼロにリセットされる.


Jin'ichi Murakami 平成13年9月13日