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まとめ

HMMはランダムプロセスのモデルであるが状態数や初期状態を考慮することに より言語の持つ非ランダム性を遷移ネットワークの形で抽出・獲得する可能 性がある。

考慮すべきHMMのパラメータのひとつとして状態数がある。状態数の増加は、 HMMのモデル化能力の増大させるが現象の非ランダム性を抽出するには、現象 のタスクの複雑さに応じた値を選択する必要がある。 もう一つのパラメータとしてHMMの初期状態がある。本研究ではランダムな分 布確率を用いたが、初期状態分布確率によってイニシャル・ノードを指定す ることができ、また状態遷移確率分布とシンボル生成確率分布を操作するこ とでモデルの構造をあらかじめ決めておくことができる。

このようにパラメータを考慮することにより経験的に得られている生成文法 に似た形態の確率つきネットワーク文法を自動的に獲得することができた。



Jin'ichi Murakami 平成13年1月5日