おわりに

本研究では,概念ネットワーク構築の際にWord2vecを利用して出現する単語を同種の単語が出やすくなるようにし,似た意味の単語を近くに配置し,ネットワークを見やすくすることを目的とした. 著者による実験結果より,役に立つ単語の個数の平均は,従来手法が3.2個に対して,TF-IDF合計値法が3.3個,TF-IDF最大値法が3.1個と,従来手法と比べても情報量が減少することを抑え, 見やすい部分の個数の平均は,従来手法が1.2個に対して,TF-IDF合計値法が3.1個,TF-IDF最大値法が2.6個と,似た意味の単語が並んで見やすくなっている部分は増えた. また,被験者実験では,役に立つ単語の個数の平均が,従来手法が8.2個に対して,TF-IDF合計値法が8.7個,TF-IDF最大値法が6.8個であり. 見やすい部分の個数の平均は,従来手法が2.5個に対して,TF-IDF合計値法が3.8個,TF-IDF最大値法が3.4個であった. 以上より,提案手法のなかでは,TF-IDF合計値法を用いたネットワークのほうが,より見やすいネットワークを構築していることが分かった.