発想支援とは,既存のアイデアを発展させ新たなアイデアを出すことである.発想支援の手法の一つにチェックリスト法 [#!check!#]というものがある.チェックリスト法とはアレックス・F・オズボーン氏が作った発想法で拡大(ものを大きくしてみたらどうか),代用(他のもので代用できないか)など 9つの項目をテーマに当てて発想を行う手法である.(例:ネコを大きくするとトラになる)
これらを概念属性データベースから発想支援を行う.概念属性データベースとは,ある単語を表す概念を属性としたデータベースである.
本研究では,McRaeのデータセット [#!McRae!#]を概念属性データベースとする.概念属性データベースから「ネコを大きくするとトラになる」のような類推を行えるようにする.またMcRaeのデータセットがどのくらい役立つかを確認する.
本研究の主な主張点を以下に整理する.
- 本研究の目的はチェックリスト法などの発想支援を概念属性データベースから行えるようにすることである.
- 本研究では2つの類推法から類推を行った.類推を行った結果から被験者5人に類推できる,大方できているまたは少し変だと思う,見かたによってはできている,類推できないの4段階の評価を行った.それぞれ類推できる,大方できているまたは少し変だと思うの評価を合わせて約54%,約24%の類推が行え,McRaeのデータセットがある程度役に立つことが確認された.
本論文の構成は以下のとおりである.第2章では,本研究に関連する研究としてどのような研究が行われてきたか記述する.第3章では,本研究での2つの提案手法を記述する.第4章では,本研究の1つめの実験結果を述べる.第5章では,本研究の2つめの実験結果を記述する.第6章では,本研究の考察を記述する.第6章では,今後の課題を記述する.第7章では,まとめを行う.