おわりに

本研究では機械学習を用いて対義語の使い分けを行い,その結果を用い対義語対の置き換え可否の判定を行った.本研究の成果は2つある.

第1の成果として,想定していた通り,機械学習の性能が高ければ置き換え可能であり,機械学習の性能が低ければ置き換え不可能であるという,機械学習の性能と置き換え可否に逆の相関があることが確認できた.

第2の成果として,機械学習の性能と被験者実験の置き換え可否の傾向が一致したものや一致しなかったものを機械学習の素性を分析した.その結果,それぞれの対義語における有用な知見を獲得した.例えば,「潜在」は他の名詞と組み合わせて「潜在力」や「潜在意識」などの複合語を作ることなどがわかった.また,機械学習の性能と置き換え可否の被験者実験を比較した結果置き換え可の値が高くなる条件と置き換え可の値が低くなる条件がわかった. 置き換え可の値が高くなる条件を以下に示す.

また,置き換え可の値が低くなる条件を以下に示す.