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アンドテーマ手法の評価の考察

アンドテーマ手法でネットワークを作成した結果,テーマキーワードのみを用いる基本手法で作成したネットワークでは見られないノードが多く見られる場合があった.例として,テーマキーワードを「世界遺産」,アンドテーマキーワードを「遺跡」としてアンドテーマ手法で作成した図5.8には,テーマキーワードのみを用いて基本手法で作成した図5.7には見られない,「ボロブドゥール」「プレアヴィヒア」といった「遺跡」に関するノードが見られた.なお,「ボロブドゥール」は,インドネシアのジャワ島中部のケドゥ盆地に所在する大規模な仏教遺跡で世界的な石造遺跡であるボロブドゥール遺跡のことを示し,「プレアヴィヒア」は,カンボジアとタイ王国の国境にあるダンレク山地内のプレアヴィヒア州に位置する遺跡のプレアヴィヒア寺院のことを示す.また,アンドテーマ手法ではアンドテーマキーワードに関するノードが基本手法で出現した位置よりも上位に見られたため,情報を取得できる範囲が拡大された.

アンドテーマ手法でネットワークを作成したが,アンドテーマキーワードに関する新規で情報取得に役立つノードを得られなかった場合もあった.テーマキーワードを「宇宙」,アンドテーマキーワードを「銀河」としてアンドテーマ手法で作成した図5.10のネットワークは,テーマキーワードを「宇宙」として基本手法で作成した図5.9のネットワークでは見られない「マゼラン」といったノードが見られたが,アンドテーマキーワードと関連性が低いとされるノードも多く見られた.これは,設定したアンドテーマキーワードに関する追加の情報が少なかったため,新規で情報取得が可能なノードを引き出すことができなかったためであると考えられる.

ネットワークの内容が絞られ,興味がある内容を得やすくなる場合も見られた.テーマキーワードを「京都」,アンドテーマキーワードを「寺」としてアンドテーマ手法で作成した図5.6は,テーマキーワードのみを用いて基本手法で作成した図5.7よりもノードが少なくなり,「醍醐」「銀閣」といった「寺」に関するノードが上位に見られ,アンドテーマキーワードである「寺」に沿った内容となった.



2017-04-20