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はじめに

近年,インターネット上で様々な電子テキストが増加し,これらの電子テキストから有益な情報を取り出す技術が望まれている. 大竹ら[1]は,電子テキストから特定のキーワードに基づく関係情報をネットワークとして抽出する方法を提案し,「地震」というキーワードに基づいて単語ネットワークの構築を行った. 土遠ら[2]は,大竹らが構築したネットワークに関連のない事物のノードを含むことを確認し,それらのノードを削除を行った. 窪ら[3]は,ノード同士の関係を示す情報としてリンクに文字列の付与を行った. しかし,これらは複数文書を入力とした場合における,発想支援を目的とした研究であり,一連した内容について書かれている単一文書に対しては適用できないということがあった.

そこで本研究では,単一文書を入力とした単語ネットワークを構築する手法を提案する. 単一文書を単語ネットワークとして可視化することで,文書を読む手間を省くことができる. 本研究の目的は,単一文書を入力として単語ネットワークを構築することにより,読書支援に役立てることである.

本研究の主張点を以下に示す.

本論文の構成は以下の通りである. 第2章では,本研究の関連研究を述べ, 第3章では,本研究の基本となるネットワーク構築の流れ及び文字列の付与手法について述べる. 第4章では,単一文書を入力とした場合の単語ネットワーク構築手法を提案する. 第5章では,実験条件,実験結果,評価方法,評価結果を述べる. 第6章では,結果の考察と今後の課題を述べる. 第7章では,本論文のまとめを述べる.


s112054 2017-03-03