本研究では文章中の重要情報の記載欠落を指摘するために,2段階の手法を提案した.その手法とはWikipediaからの重要情報抽出に固有表現抽出に基づく手法と,上位下位知識に基づく手法の2つである.また,重要情報の抽出と同時に文章作成支援をする実験を行った.Wikipediaからの重要情報の抽出実験の結果,固有表現抽出に基づく手法では0.6から0.8の正解率で重要情報の抽出ができた.上位下位知識に基づく手法では,「地名」を除く項目で約8割の正解率であった.文章作成支援の性能は,固有表現抽出に基づく手法では0.53のF値であり,上位下位知識に基づく手法で0.85のF値であった.上位下位知識に基づく手法の性能の方が良かった.また,重要情報の抽出で作成した表の項目を全て空欄とみなす比較手法と比較した結果,固有表現抽出に基づく手法,上位下位知識に基づく手法ともに比較手法より性能が良かった.