以上について具体的に,まず,名詞述語文の意味分類を確認のため,名詞述語文 の先行研究における例文,および,Wikipediaの文を対象に文の構造について分 析を行う.次に,分析結果を基にパターン化基準を作成し,パターン辞書のエン トリを作成する.作成した結果,例文41文から21エントリを作成できた.次に, パターンの照合結果の選択を行う方法を開発する.選択は,「意味属性コードを 利用した照合結果の選択」の方法,および,「機械学習を利用した照合結果の選 択」の方法の2つを提案する.
評価実験の結果,クローズドテストおよびクロスバリデーションでは,再現率, 適合率,および, 値の全てが,「意味属性コードを利用した照合結果の選択」 が上回り,オープンテストでは,再現率は「意味属性コードを利用した照合結果 の選択」が,適合率は「機械学習を利用した照合結果の選択」がそれぞれわずか に上回った.誤りの主な原因は,単語を固有名詞とみなす処理が不足していたこ とだった.固有表現解析の問題として解決が可能と考えると,本研究により名詞 述語文の意味解析のためのパターン辞書の構築および運用について方法を示すこ とができたといえる.
以上により,本研究では,名詞述語文の分類を,範疇叙述型,属性叙述型,およ び,外延叙述型に分類とすることに問題ないことを確認した.パターン化の基準 を示したので,パターン辞書の構築が可能になった.名詞述語文の例文を基に41 文から21エントリを得た.パターンの運用は,実験により,パターンの網羅性は 良好であり,照合結果の選択は,現状では意味属性コードを利用する方法,およ び,機械学習を利用する方法のどちらも適応できることを確認した.